作品名: 蛸烏賊大海戦将棋
Great sea battle shogi of octopus and squid
製作年度: 2014/12
素材:ABS樹脂、SPF、シナベニヤ
◉ビデオゲームも好きだがボードゲームも大好きである。ダイヤモンドゲーム、スコットランドヤード、バックギャモン、人生ゲーム、オセロ、麻雀、モノポリー、みんな好き。ボードゲームの魅力はなんと言っても対人戦!って事も勿論あるけれど、僕が最も魅力を感じるのはコマやボードのデザインや造形です。大胆に省略された立体アイコンとしてのコマや、ルールや世界観をサインとして突き詰めた盤面はとても魅力的だなぁと思います。そんなこんなで小中学生の頃などはよくオリジナルのゲームを作って遊んでおりました。中でも一番流行ったのは「キン肉マン消しゴム」を使ったプロレスシュミレーションゲーム。真俯瞰で見たリングを描いたゲームボード上に「キン消し」を駒にしてそれぞれの超人が個性的な技表とサイコロで戦うゲームでした。休み時間の10分でひと試合が終わる設計だったので、クラスの仲間でリーグ戦などが盛り上がりましたね。
さて、それから35年近く月日は流れて久し振りにゲーム作りです。キッカケは3Dプリンタ。会社で研究用に導入したんです。ABS樹脂を積層に積んで行くタイプでそれほど精度が良いものでは無いのですが、それがかえって毒々しい樹脂の色味と相まってゲームの駒感を醸し出します。サンプルをいくつかプリントしていたら、どうしても何かゲームのコマを作ってみたいという気持ちがムクムクと湧いてきて、作っちゃいました。あっ、勿論仕事に使いましたよ。ドラマの飾りで使いました。キャラクター感のあるチェスの様なイメージで、ゲームボードは木工で、コマは3Dプリンタで。この時はボードゲームっぽく見えればそれで良かったのでルールは全く考えませんでした。でもちょっと気掛かりだったんですよね。やっぱりゲームってのはルールがあってこそゲームですから…。
それからまた数年が経って、異動になってデスクを片しているときに見つけたんです。ロッカーに入れたままだったコイツを。もう飾りで使うこともないだろうと持ち帰ってルールを考える事にしました。さてと…、随分と時間が掛かりましたけど、ゲームデザインの時間です!
・巨大なタコとイカが大海原で肉弾戦を行うボードゲームです。触手と頭が海面上に飛び出ている感じになっています。イカの触手がタコの色違いなのはご愛嬌です。(本数もね。)
将棋やチェスに似た盤面でコマの動かし方も似ています。コマに攻撃力や防御力などは無く、触手や墨といった自軍のコマを使い相手の頭駒を倒せば勝利となります。将棋やチェスとの大きな相違点は「自分のターンでは三手連続で進める事ができる」事と「回転」という概念がある事です。
・先手後手は駒振りにて行う。どちらかが短腕駒を三つ振り、先端がより多く指した陣のプレイヤーが先手となる。
・基本的に先手より三手づつ手を進め、相手の頭を攻撃したプレイヤーが勝利となる。プレイ中は相手のどの駒でも攻撃が出来、攻撃を受けた駒は盤面から取り除かれる。(墨を除く)取り除かれた駒は相手の手駒となり、一手を使って自軍の頭駒に隣接したマスから復活させることが出来る。
駒
・頭 Head Piece
一手につき前後左右方向に一マスの移動。
一手につき九十度の方向転換。
正面方向の駒の幅である二列に掛かる位置に墨駒を吐く事が出来る。
撃破された駒の復活時はこの駒に隣接したマスからとなる。
・長腕 左右 Long Arm Piece
一手につき前後左右方向に一マスの移動。
一手につき九十度の方向転換。
一手につき吸盤の付いている方向にのみ二マス先まで攻撃。
・波腕 左右 Wave Arm Piece
一手につき前後左右方向に一マスの移動。
一手につき根元を軸として九十度の方向転換。この際、回転範囲の三マス内に的コマが有った場合は攻撃と見なす。
・墨(特殊駒) Ink Piece
墨駒は特殊な効果とルールが適用される。
手駒に墨駒がある時、一手につき一つの墨を頭駒の正面方向の駒の幅である二列に掛かる位置に配置する事が出来る。
配置されたマスには侵入が出来ない。
攻撃によって除去される。
墨を除去したプレイヤーは、その時点でターン終了となる。
除去した墨は手駒となり、自番で使用出来る。
初期配置