wood works

角座のカウンターチェアー

作品名: カウンターチェアー
Low backrest counter chair
製作年度: 2016/09

素材: 杉、檜、他 オイル仕上げ 
角座のカウンターチェア 大鼬鼠拳銃郎
角座のカウンターチェア 大鼬鼠拳銃郎
◉2016年の夏にLDKのリノベーションした時に作ったカウンターチェアです。デザインのポイントは4つ。
 ひとつ目は、未使用時にカウンター下にスッと収まる事。カウンター後ろが我が家のメイン導線なので、使っていない時は出っ張って欲しくないのです。
 
 ふたつ目は“スツール”ではなくて“チェアー”である事。同じ構造のスツールも作っていますけど、今回はチェアーがやりたかった。座面の勾配と脚の角度に気を遣ってます。
 
 みっつ目は低くても腰をしっかりと支える背凭れがある事。カウンター天板の下に収めるためにどうしても低い背凭れにするしかないのですが、格好だけではなくキチンと機能させたかった。
 
 で、最後のよっつ目が最も重要なポイントでなのですが、ちょっと長くなりますが、聴いてください。
 うちでリノベ以前に使っていたダイニングチェアーは木製で座面がお尻の形状に合わせて彫り込んであるものでした。それでも木製の座面は硬いので、クッションを敷いていました。椅子にクッションを固定する方法として、クッションに縫い付けてある紐を背凭れの根元に結びつける方式が採用されていました。この方式はスタンダードなものなのですが、ちょっと体重移動をミスるとお尻でクッションを引っ張ってしまって紐が千切れてしまう欠点を抱えています。何回ちぎった事か。デニムなどの強い生地に変えてみても寿命が少し伸びるだけで結局は切れてしまいます。これをどうにか解決する事。これがよっつ目です。
 
 さて、解決策です。
 この椅子の座面は上から見た時四角い形状ですが、側面から見ると上面側に広がる台形をしています。テーパーが掛かっているのです。この座面に、同じ大きさの四角い底面にウレタンが入っている薄べったい四角い巾着袋形のクッションを上から被せて、キュッと締め上げて根元で固定します。巾着型のクッションはテーパーに引っかかって固定されます。クッションは妻に作ってもらいましたが、2年以上使って一度も外れたことはありません。大成功です。
 
 後付けのクッションではなく、張り込んでしまえば良いじゃないかというご意見もあるかと思いますが、主に食事をとるカウンターですから、飲み物を零した時などすぐに洗えるメリットがあります。それにクッションであれば割と気軽に取り替えたり出来るじゃないですか。まぁ、うちではソファの張替えも割と気軽にやるんですけどね。