◉この小さくて可愛らしい外観の椅子は、お子さんが産まれた家へのプレゼントに最適です。椅子としてはもちろん、座面が分離するカメの姿は木製玩具としても子供の成長の傍に寄り添えるデザインになっています。実際にまだハイハイしか出来ない赤ちゃんが、自ら這って行って、ひとりで座ったなんて微笑ましいエピソードも頂いています。
でも実は、この椅子は子供の為にデザインした物ではないのです。中年太りのおじさんこそがターゲットなのです。
2014年の我が家は、リビングルームのソファーセットの下にホットカーペットを轢いていました。ぬくぬくとしたホットカーペットに直接座って、ソファを背もたれにする使い方です。畳の生活に慣れた日本人には、リラックス出来る、割とメジャーな使い方だと思うのですが、一つ問題がありました。この頃の私は体重が右肩上がり、正座はおろか胡座をかいていても足が痺れてしまう程だったのです。足が痺れては十分に寛ぐ事は出来ません。
世の中には正座椅子というものがあります。和服で長時間正座をしなければならない時にこの椅子を使うと、お尻がちょっと浮いて足に体重がかからないので痺れなくなります。しかもとても小さくできているので、座ると正座椅子自体は見えなくなって普通に正座をしている様に見えるという、まあなんと云うかチョットずるい椅子です。正座の為の補助具って事ですね。
ここから分かる事は、床面生活で痺れないように座る為には極端に座面高の低い椅子が必要だと云う事です。子亀のスツールはこの発想で作りました。とはいえ座って目立たなくする必要はないので、その分クッションを厚くして座り心地を良くしています。正座や胡座でくつろぐ日本人の為の椅子なのです。