ナポリタンの正体

ナポリタンと聞いて思い浮かぶものは?

ケチャップ? 目玉焼き? もちもち食感? ピーマンの苦さ?

●ナポリタンは日本発祥のレシピであり、本場イタリアには無い料理だと云う。今となっては皆の知るところだと思われるが、僕が子供の頃はスパゲティとは「イタリアの料理で、ミートソースとナポリタンの二種類があるモノ」という理解だった記憶がある。少し経って“ボンゴレ”味がいつの間にか出てきたという感じだ。そしてそれらを食べるところは、デパートの食堂か喫茶店。特に喫茶店の店頭にあった食品サンプルは、フォークで麺を持ち上げた瞬間を捕らえた後世に残る素晴らしいデザインで、間違いなく喫茶店ランチメニューのエースであった。僕は喫茶店でお昼を食べる機会があると、決まってナポリタンかオムライスで悩む。勝率は五分と行ったところだが、そんな訳で小さい頃から結構な数のナポリタンを食べて来たと思う。


いつの頃からかあまり食べる機会は無くなっていたけれど、数年前に「改めてナポリタンはうまいと言わせたい」でお馴染みの『パンチョ』さんで久々に食べる機会が有った。まんまと改めてナポリタンはうまいと思わされて、再びナポリタン熱が再燃した次第だ。それから幾つかの店でナポリタンを食したのだが、最近のナポリタンは昔に比べて濃厚でパンチがあるモノに変わった様に感じている。改めて美味いと言うよりも、ナポリタンは美味くなったんだと思う。


なんだろうか。ルーツの違いも有るのかも知れないが、確かにナポリタンにはイタリアのパスタ料理と一線を画す何かが有る。あの濃厚で香ばしい感じ。ジャンクな文化と言うか、シェフが作ると言うよりマスターが作ると言った方がしっくりくる感じ、妙に懐かしい感じも強い。


ランチにパスタ“自作自食”するマイブームが来ている身としては、作らない選択肢は無いので、片端からYouTubeでナポリタンのレシピ動画を見ていると、ファビオさんの動画で、

「僕はナポリタンは焼きそばだと思っているです」

との発言があった。これには目から鱗が落ちた。そうか、ナポリタンはパスタ麺を使ったケチャップ焼きそばだったのか!

『ソース焼きそば』には生き別れの双子の弟

『ケチャップ焼きそば』が居たんだ!

しかも私達のこんな近くに!

という感じだろうか。

正体を知って、益々ナポリタンが好きになった。


◆今回のナポリタンのポイントは、以下。

・モチモチ麺の為にオーバー目に茹でる。

・麺をあげてから、5分程放置してふやかす。

・ケチャップは多めで、しっかり炒めて酸味を飛ばす。

・肉とキノコは代用可。

・ピーマンはマスト。

・最後のバター。


◇材料

ソーセージ 3~4本 ベーコンでも良い。

玉ねぎ 1/4個

マッシュルーム 4~5個 シイタケでも良い。

ピーマン 半分


ケチャップ 大さじ4

バター 5gほど(給食のバターくらい)

オリーブオイル

胡椒

粉チーズ


あれば、

ニンニク。桃屋のきざみニンニクでも良い。


パスタ 太い方が良いが1.6mmくらいでも良い。


①先ずはパスタを茹でる。1Lのお湯に10gの塩(塩分濃度1%)。表示時間の30秒多め。


②具材のカット。

ソーセージは斜めスライス(断面大きく!)

玉ねぎとピーマン、マッシュルームは4mn程度のスライス。

ニンニクは潰すだけ。


③-1パスタが茹で上がったら、ザルにとって放置してグルテンを出す。5~6分。


③-2具材を炒める。

オリーブオイル大さじ1で、ニンニクに火入。

香りが移ったら、ソーセージを炒める。

焦げ目が付いてきたところで、玉ねぎ投入。

少しシナッとしてきたら、マッシュルームを投入。

オイルを吸わせたら、フライパンのセンター付近を開けて、ケチャップを大さじ4投入して煮詰める。グツグツしてきたら、具材と混ぜ合わせる。

ここまでトータルで5~6分が目安。


ピーマンを投入。軽く炒めたら、

バターを投入したのち、パスタも投入。

ここで、この料理は焼きそばなんだと思い出しながら、しっかり炒めていく。 

ケチャップが混ざって全体がオレンジ色になったら、仕上げに混ぜるのを止めて、片面に焼き目をつけて完成。


◆もちろんトッピングには目玉焼きを乗せても良い。

粉チーズと、タバスコを好きなだけかけて頂く。